雨垂れ笹雀

不定期更新でUnityとか創作とかについて書くはずのブログ。ブログ?任せとけよ、もう5,6回はエタった事あるぜ。

今回参加したUnity1weekお題「ふえる」について本音から自省する

タイトルの通り、今回僕はUnity1weekに参加してきた。これで三回目の出展となる。

今回のu1wは、完全に失敗した。出したゲームがつまらなかったとかそういった話ではない。事前に立てていたゲーム的な目標はほぼ達成したし、作品に「この仕様に納得がいっていない」とか心残りがあるわけではない。作品はほとんど想定通りのモノを出したと思っている。

放置しているバグや欠陥はあるが、そんな事ははっきり言って些事だ。直せば直るミスなんて失敗のうちに入らない。

僕は今回、あえて尊大な言葉選びをするならば、創作者として失敗した。

 

ここまでド滑るのも逆に珍しい。けれど、その中でも色々学びや思った事があったので、それらを本音から書き記していくことで、自分の中で整理をつけて自省したいと思う。

 

あと、結構この記事を書くのに苦戦したため、色々前後でノリが違かったり内容がズレてたりするかもしれないけれど、ご容赦ください。

 

 

https://unityroom.com/games/hyper_genius

僕が今回何を出展したのか知らない人が読んでいるかもしれないので、一応貼っておく。1分あればプレイし終わるはずだ。

 

すでに超ハイジ(略称)をプレイした事のある方は、多分前書きを読んでこう思っただろう。「こいつ、こんなクソバカゲー作ってるくせになんでこんなお葬式ムードなんだ」と。俺もそう思う。俺だってバカゲー作る事がこんなにメンタルに来るとは思わなかった。

その実、この記事を書くタイミングがu1w終了後なのも、「今回の反省記事はぶっちゃけすぎているから、これを出したら超ハイジはギャグゲーとして死んでしまう」と懸念していたからだ。

 

少し記憶がおぼろげなところもあるが、制作を振り返りつつ反省点をクローズアップしていこう。

 

僕は今回のu1wに参加するにあたって、いくつか目標というか、これができたらうれしいな的ポイントをいくつか打ち立てていた。

1つめは「Fungusを使わない」。Fungusとは簡単にノベルゲーが作れる的な無料アセットだ。過去二回はどちらもFungusに頼って作っていたので、一旦禁止でやってみたかった。超ハイジにFungusは使っていないので、これは達成出来た。

 

2つめは「しょうもないギャグゲーを出す」。僕はu1wに散見されるギャグゲーバカゲーナンセンスゲーが好きだ。ゲームジャムというライブ感の中、目の前で思いっきりバカをやってくれるゲームとは、今その瞬間のために小さな幸福をくれる花であり、u1wを競技ではなくお祭りと定義してくれるラッパの音だ。

たとえ一発ネタだろうと僕の記憶に残っているものがいくつもあるし、その一発のために時間と労力を割いてくれる作者さんを尊敬している。その姿への憧れたからギャグゲーを出したいと思ったわけだが、まあこれも達成出来たといっていいだろう。

 

3つめは「カジュアルに開発する」。ゲームの内容がカジュアルという事ではなく、根を詰めずに開発しようということだ。前回参加した時は一週間まさしくカンヅメだったので、もっと気楽な心持ちと時間の割き方で参加してみたかった。今回トータルで見て作業時間は短かったので、これも達成できていると思う。

 

目標を立てた時はこんな事を考えていたはず。(今もそうとは言ってない)

しかしながら、一応3つ全て達成しているように見える。では何が失敗だったというのか、それをこれから説明する。

 

目標について

作ってから気づいた事がある。これは目標になってない。

僕はこの3項目を、これらを達成することでどうなりたい!とか、これが今の俺には必要なんだ!と思って打ち立てたのではない。

本末転倒。馬鹿げた話だが、この愚考に至った原因は色々ある。なので段階を踏んで述べていくにしろ、とりあえず浅慮の産物なのは間違いない。

 

しかしそれとて、実行してみれば学びはあるもので。形だけとは言え達成した身から振り替えると、思う事がいくつかある。

まず、僕にギャグゲー開発は向いていない。

 

まず普遍的な部分で言うと、ギャグゲーを作るというのは、ギャグを言うよりも辛い。ギャグ小説を書くよりも辛い。難しいというより、辛い。

想像して欲しい。一発ネタのギャグゲー作ろうとした時、当然ながらギャグを考える。思いつく。「これは面白い!」自分のギャグにウケたあなたは、一週間ゲームジャムにこのアイディアでギャグゲーを出す事にした。

 

もう一度言う。一週間ゲームジャムだ。一週間だぞ?あなたは一週間ゲームを開発する事になる。一発ネタでだ。あなたは一週間、その一発ネタに付き合う事になる。

飽きる。今回の超ハイジは、ベッドでお題について考えてたら突然「IQが増える」という謎のアイディアが降って湧いてきたので、その意味不明っぷりに僕が笑った時から始まっている。

 

この時は面白かった。他にも思いついてはいたネタを全ボツにして採用するくらいには。とはいえそれも束の間、一週間と言わず数日後には完全に飽きている。

しかしゲームはまだ出来ていないので、完全に飽きたネタのためだけに手を動かさなくてはいけない。

 

僕は何かしら創作をしている時、作っている時に一番楽しみを見出すタイプなので、これは本当に辛かった。鶏肉の代わりに石鹸を使った唐揚げを食っている気分だった。

何度も何度も「これでいいのか?こんなくだらないもので?」と自問自答したし、出来上がりこれを提出しようという時には、自分はこれからこんなモノを世の中に出さなくてはいけないのか、と真剣に落ち込んだ。

提出はせず今回のu1wはお休みしようと本気で思った。証拠も残っている。

確か締め切り当日夜のツイートだ。死にたいとは比喩で言っているわけではない。こんなものを人様に見せて貴重な時間を奪おうとしている自分が惨めで、本当に死にたかった。

 

さらにギャグゲーの難しさを言えば、ギャグの手応えが全くない。実際の会話でギャグを言えば周囲が笑うか冷めるかしてくれるだろうし、小説なんかでギャグを入れたとしても、そのギャグを一週間見つめ続ける事はないので、ギャグの鮮度が落ちないうちにその切れ味を確認することができる。ギャグに対するリアルタイムのフィードバックが可能だ。

だがゲームでは最後の最後までそのギャグと向き合わなくてはならないし、一度ギャグの面白さがわからなくなったら、もう帰ってくることはない。

 

自分で笑えないのはまだいいにいても、開発者はプレイヤーがゲームをプレイしている瞬間を見る事はそうそうない。生のプレイ体験の瞬間を観測することはできない。つまり、ギャグを言っても会場の観客が「どっ」と湧いてくれるわけでもないのだ。この時点でギャグを言う醍醐味の半分以上が消失している。

一応コメントなんかで「笑いました」的な事を言ってくれる人はいるのだが、こちらはその笑った現場を見ていないので安心出来ない。

 

誤解を招く表現をするが、本当に笑ってくれてるのか気を遣って言ってくれているのかわからないということだ。勿論コメントをくれる方々には感謝しているけれど、人と会話していれば愛想笑いをするシーンなんてのはいくらでもある。

コメントが嘘をついているという話ではなく、つまらないギャグなんて煮ても焼いてもつまらないという事だ。僕が今世紀一番つまらないギャグを言っていたとしたら、周囲は苦笑いをする以外選択肢がなくなると思う。

超ハイジに関しては、ギャグがつまらなければ褒めるポイントなんて一個もないので、余計に不安だ。

 

これはついでの横道になるが、前二作品についたコメントは全て返しているけれど、超ハイジに関しては返していない。これには理由があって、超ハイジはギャグゲーだからだ。

芸人が役者が噺家が、客がウケてくれたからといって観客席に降りて「やあやあみなさん、ウケてくれてどうもありがとうございます」なんて言う事は絶対にない。そんな事をした瞬間、そのギャグは死ぬ。

たとえ超ハイジが超つまんなかったとしても、自分から殺す真似だけは避けなくてはならない。とはいえしっかり目を通してはいるので、コメントをくれた方々にはここで謝意を申し上げたいです。

今僕が超ハイジを非公開にしてどこか人のいない場所に消え去っていないのは、コメントをくれた皆さんのおかげです。僕の命を救ってくれてありがとうございました。

 

ここまでの話で、ギャグゲーがいかに難しく感じたかというのがわかってもらえたかと思うが、この体験から僕は一つ結論を導き出している。

ギャグゲー作家とはつまり、聖人なのだ。自分ではなく他人のためにゲームを作っている。自分が笑うためではなく、他人を笑わせるためにギャグを言っている。

顔も見えない笑った瞬間も見えないどこかの誰かのためにギャグをするということは、ウケたという見返りを求めないまさしく無償の隣人愛であり、海に流すメッセージボトルの中に一枚のギャグを書き入れる行為。それがギャグゲー作家なのだ。

 

僕には無理だった。そもそもハッキリ言うが、僕は他人のためにゲームを作ることはできない。自分が楽しいから作っているのであって、自分がつまんなかったら無理だ。

人が笑ってくれるのが楽しい、という意見もあると思うが、僕はクソ野郎なので人の言葉だけでは生きられない。どれだけ人に何かを言われても、自分が内心つまんないと思っていたら、それが決定的に揺らぐ事はないと思う。

 

元来僕は自分の作品を不要なほどに批判したがるきらいがあり、SAVE THE Iを出した時もドカドカ批判されまって「やっぱダメか~~~!」って思ったという夢をマジに見た。

それも、コメントである程度お褒めいただいた後にだ。「うまくいきすぎている」という思いが深層心理にすら影響していた。

 

人が出せば「こういうのもいいんじゃない?」と思うものも、自分がやれば許容できない。

最終的な良し悪しは自分の中でしか決めないくせに、他者に見せるというハードルが果てしなく高い。

そんな中でリリースをしなくてはいけなくなった時、自分の中ではOKが出ている、という所だけを拠り所にする僕に、一発ギャグだけの作品というのはまさに地獄だった。

自分の事以外考えられない僕に、人のために存在するジャンルであるギャグゲー開発は僕に向いていない。

 

驚いたことに、件の3項目について反省する事がまだある。それは、カジュアルな開発は僕に向いていない。

 

いい感じに肩の力抜いて気楽にやって、一週間フルには使わず数日くらいで仕上げるなんてのをやりたかった。

無理だった。驚くほど無理だった。そもそも僕は、「肩の力を抜く」という行為のやり方を知らない事に気づいた。

 

肩の力を抜いたらそのままやる気も抜けていく。そして自分的には肩の力を抜いているつもりで、開発というワードを忘れているつもりでも、結局気になって他の事に集中出来ない。

だからといって開発に集中したらそれはカジュアルな開発ではなくなるので、つきっきりでやるわけにはいかない。

 

率直に言って、死ぬほど非効率だった。作業時間は大したことないくせに、頭の中は常にいっぱいだった。開発するならする、しないならしないでどっちかにして欲しい。結局開発期間の一週間、僕は開発以外の時間を有効活用した記憶はない。

さらに言えば、つまらなかった。意識的にしろ無意識的にしろ色々な部分が投げやりになるし、気分が乗っていないのかいまいちアイディアも湧いてこない。ここまでつまらない開発は初めてだ。僕はここでも石鹸製の唐揚げを食うハメになった。

 

実は超ハイジは当初は「頭良さげな行動をさせて超高IQ人間を育てる」という育成シミュレーションだったのだが、全然捗らなかったせいで完成しなかったのと、ゲーム的な部分がお題「逆」の時に見た作品『逆転ハムスター』のパクりにしか見えなかったので、開発途中で全ボツになった。

ゲーム部分に関してはそこから色々と変化を加える予定だったのだけれど、前述の通りアイディアが全く沸かなかった事もあり、気がつけば「今から入れようとしても間に合わなくねえ?」みたいな時期にさしかかっていた。

それが開発期間5日目の深夜の事だったと思う。その時点で完成度がだいたい30%くらいだったと思うが、その時僕は完全に飽きているギャグの詰まった逆転ハムスターのパクりゲーをあと2日以内に70%分作り込まなくてはいけなかった。

 

本当に辛かったし、かなりメンタルをやった。開発を中止してu1wに出ない事も考えたけど、なんだかそれをやると僕は終わってしまうという第六感の囁きがあったので、残った時間で今の超ハイジを作った。この数日間が今年一番辛かった。

 

結局僕は何かを作る時、全てを忘れて没頭しなければいけないように出来ているし、それが一番楽しい。変に雑念がある中で作ったり、軽く力を抜いてやるなんて器用な事は出来ない。

SAVE THE Iを作った時もちょっと頭おかしくなって、突然風呂場の壁を登りだしたりという奇行はあったが、自殺を考えるくらいなら頭おかしくなる方がいい。

 

少し前までは「カジュアルに作ると適当にやるはノットイコールであるため、カジュアルにやるなら全力でカジュアルを目指すべきだったのだ」と思っていたが、思えば前述の通り僕はカジュアルなやり方を全く知らないし、そんな事が出来るほど器用じゃないのを肌で感じているので、おそらくカジュアルな開発は僕に向いていない。

 

そして残ったのは「Fungusを使わない」。Fungusを使わない開発は僕に向いていない。完。

( ^ω^)……。

( ^ω^)よし!結論出したな!

 

じゃあこれからどうすんだ

ということで、本当に書くべきなのは今までの恥晒し100連発みたいな話じゃなくてこっちなんだよなあ。

ここまでは完全にクソ太郎と化した僕のクソ具合をクソほど解説しましたが、ここからはちゃんとポジティブな事を書きます。今回の失敗は勉強代だと割り切ったとしても、しっかり次に活かさないと学びじゃないですからね。

 

一言で結論を言うと……今回のu1w、僕はひたすら「らしくなかった」んですよ。

 

最初に立てた目標からしてそう。「カジュアルにやる」。もう露骨にらしくない。何かをする時はおもっくそ集中して、ゲドゲドになりながらやる方が僕らしい。

今回のことで、開発期間っていうのが僕にとってどれだけ重要で、どれだけ楽しいのか理解しました。出来ないくせにカジュアル気取りとか二度とやんねえ。頭おかしくなりましょうよ。登りましょうよ、風呂場の壁くらい。

 

「しょうもないギャグゲーを出す」。僕はギャグを言う時、自分で「オッヒョヒョヒョwwwwこの人ギャグ面白すぎるでござるよwwwww」みたいな、まあこんな不審者と化してるかはともかく、自分のギャグで自分がウケる事が出来るという技術を体得してるんですよ。

それ故にギャグも好きですが、一発ギャグで一週間笑える技術はなかったしそれを楽しむ技術もなかった。僕らしくやるならば、ギャグに飽きた時点でプロジェクト凍結でFAだった。

それか、本命はまた別に作って、一発ギャグの方は後でこっそり出すとかね。どうせ超ハイジの開発期間は一日半だし、十分現実的ですよ。

 

まあ、すでに一発ギャグを出したという前科はあるんですけど、あれはネタ出しから何から全てを即日で作って提出だったのと、恥になる要因が他にありすぎてわかりませんでした。

 

「Fungus使わない」。死ね。文章だけでいいとは僕も思ってないけど、形から入りすぎだと思うな。どうせなら活かす方に行けばいいのに。文章しか書けないなりに、それをゲームに溶かし込む手法を探る方が僕らしい気がする。

 

そして、そもそもこんな自分に合わない目標を立ててしまった事に関しても反省するべきですが、これには2つほど要因があります。

 

一つは、「ランキングを気にしない」を気にしすぎてしまった事。

前回提出したSAVE THE Iは、あの時点で僕に出来うる限りの全てを尽くした、発表するならベストコンディションのゲームだったと思っていたので、出来ればもっと上の順位であってほしかったというのが本音でした。いやはや、順位発表当時は見苦しい姿をお見せして……。

当時Twitterでランキングの順位気にしちゃって辛いYO~みたいな話をしていたのもあって、色々考えました。

 

でもやっぱり順位に振り回されるのは良くないという事で、次回は一切気にしない事にしようという思いがありました。それで順位を気にしない時に何が出せるかを考えた時に思いついたのがしょうもないギャグゲーというわけです。

 

もう一つは、ゲーム作りにおいて武器と言えるものが文章しかない自分にコンプレックスがあったこと。

そもそも僕は別に文章が特別上手いと思っているわけでもないので、自信も欠けているし、文章というのは書く事自体のハードルはすごく低いですから、僕だけの能力というわけでもない。

それをこじらせていった結果、「ウ~ン他の開発者たちがある日神がかったストーリーをドバドバお出ししてきたらどうしよう……」って寝込むみたいな。まあ寝込むまでは言い過ぎですけど、そしたらワイのお株ってなんなん?的な気持ちになるんですよ。

 

そんなわけで僕は文章主体以外でのゲーム作りというものを求め、一度Fungus、ノベル要素を禁じて作りたかったんだと思う。まぁそれで出来上がったのが超ハイジじゃ世話ないですが。

 

でも、今はこの2つは、全然気にしていないです。もちろん順位で上に行けたら嬉しいでしょうし、文章の自信もあるとは言い難いですが、もっと別の捉え方をするようになったというか。

 

気にしなくなった理由を説明する前に、一つ僕の持論を聞いてほしいんですが。

創作って、山火事みたいなもんなのかなぁって思うんですよね。

 

作品には作者の情熱の火があって、いつしか読者や他の作者にその火をつなぎますよね。この作品はあの作品の影響で、あの作品はどの作品の影響で……?どんどん繋がっていくし、繋いでいく。

 

最初は聖火リレーみたいだ、って思いました。

でも、作者と受け手は一対一ではなく一対多、もしくは多対多ですから、リレーというのは正しくない。もっと無差別に広がるように燃え盛る……山火事。 

 

大炎上した山の中、どの火がどっから来てるのかもわからなくなるくらい燃え盛って、こっちの火があっちに移って、その火がさらに別なところへ燃え移る。

そんなメラメラ燃えてて明らかにやべえ山に、また一人また一人と新たな作者が入山してくるんですよ。そして燃やされて、燃やしていく。

 

人気のスゴい作者が作ったゲームは遠くに見えても、結局みんな一つの山の大きな火なんじゃないかって。

その火が自分のもとに届く事で、自分の中の火がまた大きくなる事もあるし。逆に自分の火が、知らないうちにどこかの誰かに引火することだってあるんですよ。

 

なんで今こんな話するかって。こないだ、すげえうれしい事があったんですよ。

 

 

両者とも、僕が尊敬する、「この人のこういう部分には勝てねえなあ」 って前から思っていたクリエイターの方です。お世辞じゃなくて。俺前回ヌリカミー賞でみやこさんのウルトラ草について長文書いてるし、かめふぃさんの前々回の作品であるTwisted Girlの時コメント欄に「これ優勝だなぁ」って書いたからね。

そんな方々に、こんな事言われちゃったんですよ。SAVE THE Iをそこまで見ていただいていたなんて微塵も思っていなかったし、本当に驚いた。

 

正直な事を言うと、SAVE THE Iは僕にとって、少しずるい作品でした。

初見のプレイヤーを思いっきりぶん殴りたい、と思って作ったので、一発限りの部分もあるし。そもそも僕が普段書いている文章とは意図的に毛色を変えているので、かえって万人受けする形になったのかなぁとか悩んだり。

 

自分にとって100%完全に理想形の作品だ、とは言いません、

けれど、お二人にこう言われた時、SAVE THE Iを作って良かったと思いました。たとえランキングは1位じゃなくても、心から誇りに思える作品になりました。

 

そして、「またこんな事を言ってもらえる作品を作りてえな」って思いました。あの時みたいにもっとガッチリ気合入れて作って、一発ギャグとは違う路線で、文章を書いて……僕らしく作って。

 

良いモノを、作りたいなって思いました。シンプルな話ですよね。でも、僕はその気持ちすら忘れてたんですよ。なんで?「u1wでランキング上位じゃなくてもいいや」と思うあまり、「全力投球の作品を作る」事すらやめていたから。

 

でも、言われてみれば当たり前なんですけど、「良いモノを作ろうとする」と「ランキング上位を目指す」は、間違ってもイコールではない。

良いモノ作ろうぜ。そしたら順位の方から来るかもしれないし来ないかもしれねぇ。でも、別によくね?その作品、絶対にどこかの誰かは覚えてるよ。

ランキングのためにゲームがあるんじゃねえ!!!!!ゲーム作ったついでにランキングがあるんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ついで程度のランキングなんざ!!!!!!!!!!!!みんなで健闘と努力と技術を称え合う材料にしてやるわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

っていう、ね。

創作者の本懐とは、火を繋ぐことだった。それさえ出来れば、順位がマイナス1億位でもマジでどうでもいい。誰が決めたわけでもないランキングの不確かな数字より、確かにいる誰かに届く方が僕は嬉しい。

そして、この火は意外と燃え移りやすい。自分ではとろ火のつもりでも、自分の知らない、目の届かない意外なところで、意外な燃え方をしている。

 

じゃなきゃ、SAVE THE Iを作った時の僕の情熱の火が、色んなところをまわりまわって僕のもとに帰ってきたりしないでしょう。

もう僕は、他人を燃やしているのか、自分を燃やしているのか、自分に燃やされているのかわからない。

ああ、山火事だ。って、思いました。

 

もしかしたら、超ハイジも、僕が最初に出したうんこ日記も、どこかの誰かに……

 

( ^ω^)……

( ^ω^)……い、引火……してるかも……しれないだろ!?? 

 

いや、半分冗談……。この両名はu1w史上を振り返ってもクソしょうもな番付上位に来るのは間違いないと思いますが、これこそ知らないところで意外な燃え方をしてると思います。

間違いなくSAVE THE Iとは違う燃え方だと思いますけど……それでも誰かのもとには届いてるっていう自信があります。

もしかしたら「こんな糞作品作らないようにしよう」って反面教師かもしれませんし、「こんな糞作品出していいなら俺も出したいな」ってハードルの普遍化かもしれませんし、「こんな神作品」ごめんなんでもありません。

 

どんな形にしろ、誰かに届くならそれだけで発表して良かったと思いますし、それだけで作って良かったって思います。そして、多分届いてます。

僕だけじゃなく、u1wに出ているあらゆるゲーム全てにもそう思いますが、プレイしてくれた人さえいれば、誰にも何も残らないなんてありえねえよ。

 

そして。さっき僕は「文章しか書けない自分にコンプレックスがある」って書きましたね。ランキングに関してはさっき話したので、これが今回の最後の話です。

 

自身へのコンプレックスは他者への嫉妬。僕はないものねだりマンですから、嫉妬する事もありました。でも、今はあんまりそうでもないかなって感じます。

僕たちあと何年生きるんですかね。仮に今20歳、普通にいった時の寿命が80歳だと仮定して。ゲームクリエイターなんて不健康な事やってる奴らは寿命がマッハで縮むから-20で60歳!あと40年で死ぬな!

 

あと40年しかないんですよ、僕たち。この短すぎる40年にどれだけの技術を手に入れて、何を考えて生きて、何個のゲームを作るんでしょう?

こんな寿命の中で出来る事なんて限られてるんですから、結局出来ない事はある。ないものねだりしたって、それは永久に手に入らないものかもしれないですよね。

 

だから、自分には到底出来ないようなモノを作っている人には、「代わりにやってもらった」のかなって今は思ってます。全部自分で作らずに済むって、なんだかありがたくないですかね。

だってそのおかげで、安心して『自分らしい』モノだけを作れるじゃないですか。

 

もっと言えば、自分と似たような事してるけれど自分より上っぽい人たち。でも、自分の力量がもっとあったとして、その人達並の作品が作れる力があるとして。

だからって、その人達と完全に同じ作品を偶然作る事なんてなくないですか?

「らしさ」が失われない限り、他に素晴らしい作品があるからって自分の作品が無価値になる事はないと思います。

 

文章オンリー上等ですよ。文章を書けるのは僕だけじゃないかもしれないし、僕の文章は大したことないのかもしれないけれど、僕の文章は他の何より僕らしいですから。

文章は僕が書くので、僕が出来ない部分は皆さんにお願いします。あとの40年、よろしくお願いします。

 

願わくば、ゲームクリエイターのみなさんも「らしい」モノを作ってくれたら、僕は嬉しいです。

色んな「らしい」があると思います。u1wだと例えばYMACさんとか、「ワイはもう棒人間ゲーで行っちゃるけんのぉ」とか言ってて、素晴らしいなって思います。(ちなみにこんな関西ヤクザみたいな口調ではなかった)

 

今はそういった「らしい」作品を作っている方々に敬服の思いしかないですし、僕もまた誰かに火を繋げるように、自分らしい「良い作品を作りたい」という思いを遂げていきたいです。

 

ここまで、このクソ長い独白を読んでいただき、ありがとうございました。

 

僕がこれからも作りたいと思えているのは、全て、皆さんのおかげです。

 

――おまけ――

 

( ^ω^)しまった……。

 

( ^ω^)話の流れから……つい……

 

( ^ω^)みやこさんとかめふぃさんのトゥウィッターを引っ張ってきてしまった……!

 

( ^ω^)このままでは……僕は……

 

( ^ω^)自分のブログに無断転載マンになってしまう……!

 

( ^ω^)断りを入れるべきか……でも……もし僕が逆の立場だったら……

 

( ^ω^)この状況で「こういう感じなんですけど転載していいですか?」って言われたらムチャクチャ断りにくい……!

 

( ^ω^)この持ちかける側が9:1で有利の死の二択をかけたら、かえってお二人に気を遣わせてしまうのでは……?

 

( ^ω^)しかし……待てよ……。このまま無断転載すれば……

 

( ^ω^)無断転載をする僕がクソ野郎という事で0:10に持っていけるのでは……?

 

( ^ω^)…………。

 

(^ω^)

 

勝手に引用してしまい本当に申し訳ございませんでした。お二人の温かい言葉に、僕は救われています。今後とも、ご活動を微力ながらに応援しております。

 

~おわり~